« Back オハイオ州、妊娠差別禁止規則改定の方向へ ?

October 31, 2007

オハイオ州人権委員会は10月24日に現在のオハイオ州の妊娠差別禁止規則を改定する案を採択しました。この改定案によれば、

1.    オハイオ州の雇用主は“pregnancy, childbirth, and related medical reasons”に対し(妊娠・出産及び関連する医学的理由がある場合には)最低12週間の無給休暇を女性社員に与えなければならない。
2.    もし、軽作業を他の従業員に許可している場合には、当該女性社員にも同様に軽作業の機会を与えなければならない。(御存知の通り現在の法律の下では軽作業の機会は労災の対象になっている従業員に対し与えられるのが一般的です。)

オハイオ州人権委員会で採択された改定案が実際に施行されるにはまずJoint Committee on Agency Rule Review (JCARR) と呼ばれる委員会での承認を必要としますが、現時点では承認は早ければ11月半ばに出るのではないかという予想もあります。

上述の改定規則案が実際の規則として成立するか否かも未確定ですが、もし正式に規則として成立した場合には、オハイオ州の雇用主に対しかなり大きな影響が出るものと予想されます。例えば、現在のFMLAの下でも妊娠や出産に関連して、最低12週間の無給休暇が義務付けられていますが、その対象企業は50人以上の従業員を雇用していることが条件になっています。しかし、今回の改定案の下では企業の雇用人数が4人以上であればFMLAと同様の12週間の無給休暇を与えなければならず、小規模企業にも影響が出そうです。加えて、FMLAの下では12週間の無給休暇の権利は該当する従業員が1,250時間以上既に働いていることが条件となっていますが、今回の改定案の下では特に雇用期間の条件が課されていないため、極端な場合には雇用1日目からこの12週間の休暇を取得できるということになります。

更に、この改定案が大きな影響を持つと思われるのは、軽作業の機会の提供義務です。現在の法律の下では労災の対象となった従業員が職場復帰する際に労災関連のコスト抑制のためにまずは軽作業に就けさせるという方法が一般的に取られていますが、今回の改定案の下ではもし雇用主が従業員に軽作業の機会を与えている場合には妊娠・出産あるいはその関連で影響を受ける女性社員に対しても同様に軽作業の機会を与えなければならないということになっています。よって、この改定案が実際に規則となった場合には、雇用主は労災関連費用抑制の方法として与えていた軽作業の機会を今回の規則の対象となる妊婦にも適用するか、あるいは軽作業の機会をいかなる従業員にも与えない、という二者択一の選択を迫られることになると思われます。

新規則としてオハイオ州の雇用主にこの規則が適用されるまでにはJCARR他いくつかの手続きを経なければなりませんが、この改定規則案の行方を見守ってみたいと思います。